月食2012

2011-12-11 天文

前回の月食前夜に引き続き、昨日の月食を撮って来ました。
半影月食は撮影してもあんまりわからないだろうということで、21:30過ぎに出陣。
撮影場所は前回と同じく家の裏手の公園です。

出発が遅かったので既に少し欠け始めています。
この時点では、薄雲が月にかかっていたためだいぶ月が暗く、昨日の設定では殆ど写りませんでした。
この後も数枚露出を変えながら取るものの、雲が凄い勢いで流れているせいか光量が変化して調整が難しく、全体にボケ気味の写真に……
ギャラリーに上げた写真はだいぶ選別していますが、実際にはボケの嵐でした。

さて、枚数を重ねているうちに食も進み、はっきりと欠けていることがわかる程度になってきました。

ここで、そういやカメラにデジタルテレコンがあったな、と思い辺りオンに。
デジタルで×2なので画質は荒れますが、どうせ後でトリミングするのなら同じだろう、ということで。

く、暗い……
これはデジタルテレコンのせいじゃなく、ちょうど厚めの雲がかかってしまったからですね。
ここで一度休憩と物資補給を兼ねて帰宅。
着込んでいったのですが、めちゃくちゃ寒かったです。

で、休憩から戻ると、いつの間にかめっちゃ晴れてました。
慌ててセッティングして撮影。

おぉ、欠けもだいぶ進行してる。
ちなみにこの写真だと明るい面に露出を合わせていますが、背面液晶では影になっている部分も結構見えていました。
なので、そちらに露出を合わせてみると……

見づらいですが、食の部分も陰影があるのがわかると思います。
このへんで長丁場に疲れてきていたので、一度デジタルテレコンを切って周囲の星を取ってみようと広角側、露出時間を長めに取ってみると……

あ、月入れたらそりゃ月しか写らないですよね。
でもシャッター速度を遅くすると、食の部分もはっきり写りますね。

で、この後星を撮るためにレンズを標準ズームに付け替えて遊んでました。
こちらは月の真下にあって導入が簡単だったオリオン座。

ぎりぎり点像で写ってますが、やはり明るいレンズでもう少しシャッター速度を短くしたいところですね。
赤道儀があれば言うことなしなんですが……高いのでさすがに。先に望遠鏡欲しいですしね。

他にも綺麗な星がいっぱいあったのですが、それは今度の新月の日にでも撮ることにして、再び月に被写体を戻します。

ほとんど皆食に近いですね。
肉眼だともう少し明るく見えますが、それでもほぼ皆食です。
ま、露出変えると当然明るい部分の面積も変化するので、本当は欠けていく様を正確に表現するなら露出を一定にしないといけないんですが。
ギャラリーの方は、露出織り交ぜなので、欠けたり満ちたりしてるように見えてしまっています。
一応下の写真は、上の写真と露出を揃えたものです。欠けが更に進行しています。

この辺りで、シャッター速度1/20だと真っ暗になりました。
時間的にも皆既月食ですね。
肉眼だと紅い月が見えてるので、シャッター速度を長めにして撮影してみます。

ちょっとピントが怪しいものの、一応ちゃんと紅い月が撮れました。
ちなみにこの時点で、月の光量が低すぎてピント調整が無理ゲーになりつつあります。
多分液晶表示だけ感度上げる設定とかあるんでしょうけどね…… ちゃんと勉強していないのでわかりませんでした。
同じ理由で星座の導入も手探りだったので、ちゃんと説明書を読んで勉強しておきたいと思います。

さて、この後枚数を重ねると、明るい部分が徐々に右下から左下へと変化して行きました。
太陽と地球と月の位置関係のせいでしょうかね?
とりあえず、速いシャッターで微妙に明るい部分を撮ったものと、遅いシャッターで紅い月とを交互にパシャパシャ。
この辺は枚数多いのでギャラリーのほうで。
とりあえず写りのいい紅い月を一枚。
輝度の高い部分が、左下の方へ移動してるのがわかるかと思います。

で、皆既月食が終わり食が戻り始めます。
これに伴って、赤い月が普通の色に戻りました。
ちなみに月が赤くなるのは、月が地球の影に入ったときに、太陽光が地球の大気で屈折して、赤色の成分だけが月に届くかららしいです。
赤色じゃなくなった、ということは、月が地球の影から出始めて、赤色以外の成分も届くようになったからですね。

というわけで、皆既月食が終わったので部分月食を数枚写真に納めて帰還。
出来れば食が戻っていく過程も写真に収めたかったのですが、さすがに長丁場で凍え切り、いろいろやることも控えていたので諦めました。

一応次の皆既月食は2014年(出典:Wikipedia、ソースの確認はしていないので実際には見られる地方が限られているかも)らしいので、次の機会には望遠鏡を調達しておきたいところ。
とはいえ普通の望遠レンズでも、結構楽しんで月食を捉えることが出来ました。
意外と手持ち機材だけでも天体写真が取れることがわかったので、機会を見つけて月の写真や星の写真も撮っていきたいですね。