ポエムを綴るためのサイト、pplogが最近気に入っています。
なお、pplogは2013年にベータリリースされたサービスなのでとても今更感がありますが、自分が知ってハマったのが最近なので気にせず推し記事を書きます。

pplogがどんなサイトか、公式の「このサイトについて」から引用すると

pplogは最新の1件しか公開されたネット上に残せないブログのような何かです。記事は「ポエム」と呼ばれています。
各ポエムにはパーマリンクがありません。いっときの高まりなどで書いたポエムも、次のポエムを書けば他人からは見えなくなります。心おきなくポエムを綴りましょう。

と書かれています。

この時点で「お前は何を言っているんだ」感がありますが、その下のキャッチコピーがまたインパクト絶大です。
こちらは文章だけでは伝わらないので、画像で引用します。
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「pplogではいろんなことができません
Twitter BootStrapでよくあるフォーマットに乗せて、堂々と「できない」ことをアピールする。
こんなサービスが未だかつてあったでしょうか。

大抵のサイトはこのフォーマットで「できる」ことをアピールしますが、pplogでは逆に「できない」ことをアピールしている。
この時点で、なんだか面白そうだなぁという気がしてきます。
そして実際に使ってみて気づくのが、まさに「できない」ことがpplogの良さであり、同時に良く考えられているということです。

たとえば、「のこせない」。
pplogではブログのようにまとまった文(ポエム)を投稿できますが、人のポエムは最新の一件だけしか見られません。
それ以前のポエムは、どう頑張っても見ることができないのです。(自分のポエムは過去のものも見られます)

一瞬「不便なだけでは?」と思いますが、これによって「投稿したけど、やっぱりちょっと恥ずかしいな」と思った場合、新しいポエムを投稿するだけで過去をなかったことにできます。
もちろん既に見た人は知っていますし、他の媒体でも消してしまえばいい話なのですが、「本来残り続けるものを明示的に削除する」というのはなんとなく心理的抵抗がありますし、消すという行為によって逆に目立ってしまう場合もあります。
その点、pplogではすべてのポエムは風化する前提なので、むしろ「恥ずかしいけど、どうせ消えるなら書いちゃおうかな」という気分になったりします。
「のこらない」ことによって、投稿することのハードルが下がったり、投稿できることの幅が広がるわけです。

「しゃべれない」というのも気楽な発言を後押しします。
なにしろコメント欄はない、ポエムへの返信やトラックバック機能もない、パーマリンクがないから外部で引用することもできない、とないないづくしです。
唯一できることはあしあとを付けることだけ。
この時に記事の一部を引用することができますが、それ以上のことは何もできません。
まともなSNSだったら大減点なのですが、こと自分の思いをぶちまけるポエムにおいては、変な議論を呼ばないことが保証されているため、とても気楽に思いの丈を吐き出すことができます。

「つながれない」というのも言わずもがなで、誰が自分を購読(Twitterのフォローのようなもの)しているかは全くわかりません。
逆に自分が購読しているかも相手に伝わらないため、片思いとかフォロー返しとかめんどくさいことは気にせず、自分が読みたいポエムを綴っている人だけをフォローすることができます。

このように使ってみるとかなりコンセプトが練られていることが伝わってくるのですが、これは深読みでもなんでもなく、実際に開発者の方々が「自分の思いを好きなように書ける場所が欲しい」というコンセプトをしっかり固めた上で、そのための機能を取捨選択したからこそ生まれたサービスのようです。
その辺りは@ken_c_loさんの俺たちのゆるふわインターネット「pplog」 をリリースしました(してました)という記事に書かれています。
この記事を見ると、コンセプトが先にあって、そのために機能を詰めていったというのが伝わってきます。

また、@ken_c_loさんがGitHub Kaigiで発表した資料も面白いです。

ポエム駆動開発、ふざけているようでいて、「コンセプトを最初に決めて、それを明文化しておく」というスタイルはすごく実践的なのではないかと思います。

そんなわけでユーザ視点からもWeb開発者視点からも興味深いpplog、Twitterとはまた違った距離感を持って気楽に発言できる素敵サービスですので、オススメです!